2011年5月21日土曜日

なんで借金するのよ!

昔上場企業の社長をやっていました。社長辞任の3年ほど前に経理部長がやってきて、借金の返済に回したんで給料が払えないというのです。親父の頃からのいわば番頭さんみたいな位置にいた人ですから、細かいことは言いません。彼もぼくの社長としての品質は理解していたのだろうと思います。借金のハンコウは彼が持ってました。

課長以上の役職者には二度払いになると伝えてくれというわけです。会議を招集し借金返済に充てたから今月の給料は半分だ、と伝えました。自分でも涙で声が詰まるとは考えもしませんでした。でも最後は涙声になっちゃいました。だらしないですよねぇ。

会社は黒字です。それでも借金が必要になります。いわゆる資金繰りが立たないというわけです。会社を始めることを考えて見ましょうか。売上がどのくらいになるか予想も付きません。いやいや、会社を始めるぐらいですからある程度の売上は予測しています。それでも新しい会社としての第一ヶ月目にどのくらいの売上ができるか正確に予測することは不可能です。当然その分は資本金という株主からの借金で別に積んでおくわけです。

今はインターネット販売などいわゆる直接消費者に販売する手法も取れますから、売上=資金源と考えても間違いではありませんが、20年前には卸業者への販売がすべてですから、今月の売上は来月にならなければ入金しないので、資金として利用するまでには2ヶ月間待たなければなりません。二ヶ月間のタイムラグがあるわけです。

このタイムラグが借金の発生源なんですよね。今はそんな境遇を離れて売上=資金源の世界に住んでいるので、とても心が安らかです。街金へいったり銀行へいったりする必要がありません。

小学校で同級だったT君と銀行のあからさまなやり口を話していました。今はつぶれてなくなりましたが東海銀行と取引していました。バブルも絶頂を超えたある日、名前を忘れましたが、横浜支店の営業がきて株券を担保に1億ばかり借りてくれというのです。

たまたまアメリカへの投資を考えていたので、これに乗りました。バブルがみごとにぱちんと弾け、アメリカの話もなくなりました。借金は返せません。それからの東海銀行のすばらしさ!筆舌に尽くしがたい行いを展開してきました。

そりゃぁたしかに小刀を畳に突っ立てて「返せねぇのかよ・・・」という凄みこそありませんが、まぁ 似たようなもんです。そのときの支店長の名前をここに書きたかったんですが、出てこないんですよねぇ・・・。

まぁ今や思い出になっちゃいましたがね。でもあのときの腹立たしさと、馬鹿らしさと、自分の間抜けさ加減を思い出すと身体が熱くなります。あぁ恥ずかしい・・・。

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